♂ vs ♀ ~男女寮戦争~
部屋には、もやしみたいにヒョロッとした下着泥棒がいるはず

だったのに…

ベッドの上には、見知らぬイケメンが二人。



どっちも強そうだ…

こりゃ、まずい…
マズすぎる。

何も見なかったことにして、ドアを閉めようとするあたし。



「下着泥棒って、なに…?」

黒髪の男がベッドから立ち上がる。

乱れた髪をかきあげ、鋭い目があたしに向けられた。

寝起きのかすれた声がセクシーなんて、ドキドキしてる余裕はない。

さっさと逃げないと、あたしが危ないじゃん。



「ごめんなさい、間違えました…」

早口で言って、廊下に逃げようとした時、
もう一人の男があたしの腕をつかんだ。



「女の子珍しいじゃん。男子寮に何しにきたの…?」

しまった…

黒髪のほうに気をとられて、もう一人の存在を忘れてた。



二人の男に、女が一人。

よくわかんないけど、非常にまずい状況なんじゃないですか…?
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