星の降る街
そのとき、暖かいモノがあたしにぎゅっと覆い被さってきた。
「えっ…皐月くんッ?」
「辛かったな…。いっぱい泣けよ。俺が何回でも拭ってやっから…。今までのこと全部出し切れよ。」
皐月くんは優しい声で、またぎゅっとあたしを抱きしめてくれた。
男子が怖いはずのあたしは、皐月くんに抱きしめられると、逆に心から落ち着いて…
5歳の頃のように、あの時から少しずつ溜めていたなみだが一気に流れてくる…
「…皐月くん、ありがとう。」
そっと腕の力を緩めて、あたしを見つめる皐月くん。
今なら、あたしも皐月くんを見つめられる。