星の降る街




「ねぇ、食べないの?」



何も買わず、ただ星野の食べ姿を観察する俺に不思議がる。



「うん。生クリーム苦手だから。」


「ふぅん…。皐月くんって不思議だね!」


ハテナマークを頭に浮かべた星野はまたクレープを頬張った。

そりゃあそうだろう。
自分から誘っておいて食べないなんて。


可笑しすぎる。




すると、星野がクレープを差し出してきた。


「あたしも生クリーム苦手なの。甘くないよ。」


「じゃあ、いただきます。」



パクっ




星野のクレープの中味はツナサラダだった。

…うまい。


と同時に、俺の脳内辞書に"星野の嫌いなもの生クリーム"と印される。



星野を見ると林檎の様だった。



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