青空の下で
私の視線を受けた悠はへらっと笑って耳に手をかけた。

何をするかとじっと見ていたらにやっと笑って、


「美緒、美緒、目ェ閉じて」

「はい?・・・え、ヤだよ。絶対なんかするじゃん」

「しない。ほら、はーやーくー」

「いや!顔が、顔がするっていってる!!」


悠が唇をとがらせたと思ったら視界が隠れて、思わず目を瞑ってしまった。

それと同時にさっき、悠の唇を意識したせいで嫌な記憶を思い出した。

私と違う人の名前をいって、微笑む・・・睦月[ムツキ]。


「もっ、やめてっ!」

「はい、いくよー」


こっちは必死なのに対照的な悠ののんきな声が耳に届く。

とその一拍前に変な異物感だけどどこか慣れたものが耳に入ってきて・・・
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