俺様ケータイ


「草加くんごめんね。

別れよう」


彼女は申し訳なさそうに謝る。

彼女が良い子だと誰よりも分かっているつもりだ。


「なんで?なんで?」


オレは相当戸惑った。

声が裏返って最後にしては

みっともない姿だった。


彼女はまた「ごめん」と頭を下げ

顔を上げて

「あたし、草食男子は好きじゃないんだぁ」

と呟いた。


その時、初めて自分が

草食男子だと気づく。



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