図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「どうした、篠宮!」
もう、限界だった。
「おれ、気分悪いんで」
それだけ言うと、蓮は席を立ち上がった。
「おい、大丈夫か?誰か・・・・・・」
先生の声に蓮は「一人で大丈夫です」と告げて、教室を出た。
だからといって、保健室に行きたいわけではなく、立ち止まり、携帯を眺めた。
それから、蓮はいつもの場所へ向かった。
そこは静寂が支配する場所。
彼女の好きな場所。
その名は図書室。