図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


美優が離れようと顔を動かす。

蓮はそれを許さず、美優の後頭部に手を当て逃がさない。


「・・・・・・んっ」


美優の体が腕の中で強張っていくのを感じたが、蓮はお構いなしに舌を滑り込ませた。


「・・・・・ぁ・・・・・・」


聞こえるのは美優の吐息とキスの音。

美優が蓮の腕につかまり体を預ける。

二人はそのまま床に座り込んだ。


秋から冬に変わる季節。

室内は暖房が効き、火照った肌にはタイルの冷たさが気持ちいい。

蓮は美優の唇を解放した。

美優は力無く蓮の胸に顔を埋める。

漆黒の髪に見え隠れするその頬は赤く、その熱は蓮に伝わる。

蓮は腕の中の美優をきつく抱きしめた。

そして、耳元で甘く囁く。




「美優が欲しい」





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