図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「待てない」
美優の声を遮った蓮の顔に笑みはない。
まっすぐに美優を見つめる。
「もう待てない」
その低い声に美優は体をびくつかせた。
艶めく唇が震える。
「だって、ここ・・・・・・図書室――」
やっと聞こえるくらいの小さな声。
「だから?」
蓮は美優の握られた手を優しくほどいた。
「誰か来たら・・・・・・」
美優が蓮の手を押し留めるように掴む。
「来ない」
蓮は美優の手に構わずブラウスのボタンに指をかける。
「嫌なら大声だして」
ひとつ目のボタンがプツンと音を立てて外された。
「俺に襲われたって言えばいい」
ブラウスのスキマから、美優の白い肌が露わになる。
蓮は吸い寄せられるようにその白い肌に口づけをした。
「・・・・・・あっ」
僅かにもれる美優の声を聞きながら、蓮はそのまま唇を耳まで這わせた。
「嫌じゃないなら、もう黙って」
背筋が凍るほどの低い声に美優はのけぞった。
唇を噛みしめて――。