図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


彼女はカバンを拾い、埃を落とす。


「あ、のさ」


遠慮がちに蓮が口を開いた。


「はい?」


彼女は左手で髪をかき上げ耳に掛ければ黒髪はしなやかに揺れる。


「駅まで送ろっか?」

「えっ?」


蓮の言葉に彼女の手が耳で止まった。


「あっ、いや、ナンパとかじゃなくて、その、もう暗いし、さっきみたいに・・・ね?」


詰まりながら、何とか言い切って、笑顔を見せる。

彼女の頬が薄紅色に染まった・・・気がした。


「でも、悪いから。ほら、友達じゃない?」


彼女の視線の先には・・・・・・。


「あっれ~、蓮くん。何してるのかな?」


意味ありげに笑う新。


「へー、そーゆー子が好みなんだ?」


それに乗かっるように笑う祐介。


「お前ら~」


蓮が顔を赤くしながら二人を睨むが、二人はそんな蓮にお構いなしに彼女に声を掛けた。

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