図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】



床に広がるのは漆黒の髪。

その上には白いブラウスと、透けるような肌。

蓮はそれを隠すように抱きしめる。



そしてキス。

食い尽くすかのように何度も激しいキスを落とす。



美優の手が蓮の背中にまわされ、その指が蓮の肌にくい込む。

その痛みすら快感に変わる。



「・・・・・・んっ、ぁ・・・・・・」



美優の甘い吐息が耳をくすぐる。


「その声・・・・・・ヤバすぎ――」


そう口にして蓮は美優の唇を優しく塞いだ。


感じるのはお互いの息と、肌に伝わる体温。

どこまでが自分のものか・・・・・・。

その境界線も曖昧になる。

溶け合う体と体。

現実感のない世界。



床の冷たさだけが、現実なのだと教えてくれた。


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