図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
蓮はブレザーを美優の肩に掛け、そのまま抱きしめた。
美優の体がぬくもりに包まれる。
「俺、今すっげー幸せかも」
蓮がつぶやく。
美優は回された腕を両手で掴んだ。
「あたしも」
その腕に顔を埋める。
体に残る痛みすら幸せに感じる。
「美優、好きだから」
その声に美優が蓮を見上げる。
「あたしも・・・・・・好き」
美優のはにかむような笑顔に蓮もつられる。
もう一度、キスをした。
今度は触れるだけ優しいキスを――。