図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
幸せな日々を過ごそう
それからも同じ毎日を繰り返す。
一緒に登校し、昼休憩には図書室で過ごした。
美優は本を読み、蓮はそれを見ながら昼寝する。
放課後もやっぱり図書室。
違うのは人の目を盗んでするキスの回数。
蓮がブレザーのボタンに手をかけると、「ダメ!」と、困ったように怒る。
「大丈夫、誰も見てない」
耳元で囁く蓮の声に美優は顔を赤くするけど、やっぱり「ダメ」としか言わない。
「声が出るから?」
蓮が意地悪く言うと美優は耳まで顔を赤くする。
「蓮くん!」
少し大きめの声を上げる美優に蓮は人差し指を立てて唇にあてる。
美優は、両手で口を押さえて上目遣いに蓮を睨んで・・・・・・。
そんなやり取りすら楽しくて、蓮は笑う。
美優もつられて「もうっ」と言いながらもその口元は緩んでいた。