図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「美優、こっち来て」
蓮の声に振り返る。
「だって、片付けないと」
蓮の部屋で食器を片付ける美優。
「そんなん、俺が後でやるから」
「でも・・・・」
そういう、美優の手を引っ張りベッドに倒れこんだ。
「キャッ」
「いいんだって」
そう口にしてキスをする。
カーテンの隙間から見える白いもの。
そんなものには気づかず、体を重ねる。
「美優、メリークリスマス」
耳元でささやく。
「・・・あっ・・・ん、蓮・・・」
一番欲しかったクリスマスプレゼント。
白いシーツに流れる漆黒の髪。
その上には透けるような白い肌。
細い指は、蓮のそれに絡まる。
その指には銀色に光るリング。
このまま時間が止まればいい
その願いが叶わないことは知っているけど願わずにはいられない。