図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
翌朝、蓮は目をそばめてカーテンを開けた。
-銀世界-
そんな言葉がふさわしい風景が目の前に広がる。
蓮は携帯を手に取った。
かける相手は勿論、美優。
流れる音楽に気がはやる。
「もしもし?」
美優の声に蓮は顔が緩むのを自覚した。
「外見て!美優!」
きっと同じ世界を見てるはず。
その思いに声が大きくなる。
「・・・・うわぁ・・・すごい・・・・」
「なっ?・・・・一緒に歩きたいな・・・」
思わずこぼれた台詞に蓮は赤面した。
けれど、美優からの返事はない。
「美優?」
だから名前を読んだのに、沈黙が続く。
もう一度、その名を呼ぼうとしたとき――、