図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「みことちゃぁん」
途端に泣きそうになる美優。
「まぁ、今までよくもったと思うよ。すぐに捨てられると思ったのに、付き合って2ヶ月以上でしょ?」
みことはコーヒーをすすり一息入れた。
「年明けたら、3年生はほとんど学校には行かなくてすむし、もうやめなよ。」
そういって、みことは美優の髪を撫でた。
美優はその手を受け入れるように俯く。
「でも・・・・」
みことは美優を見つめた。
「好きなの」
こぼれたのは言葉と・・・・涙。
みことはまた、髪を優しく撫でる。
「大丈夫、忘れられるよ。大学行ったら、もっといい男がいるから」
美優はもう、何も言わなかった。
どうして、抱きつかれて、蓮くんは嫌がらなかったの?
どうして、彼女の頭を撫でたの?
どうして、一緒に歩いてたの?
どうして、そのまま家に帰ったって嘘をついたの?
真っ白い雪はすでに溶けて、泥水と化していた。
美優はその水溜りを眺めていた。