図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
ため息と恋心
「で、どこで見つけたの?」
新が蓮に詰め寄る。
「内緒ってか、お前らには絶対教えない」
「3組かぁ・・・」
祐介がつぶやく。
「行くなよ?」
蓮が釘をさす。
「選ぶのは美優ちゃんだよな?」
新が宣戦布告する。
「はぁ、見つけたのは俺っしょ?」
振り向いて新を威嚇する蓮。
「いやいや、俺に気があると見たね」
なぜか祐介も参戦。
「ちょっと、待てよ!お前ら!」
叫ぶ蓮に新と祐介が意地悪く笑った。
あたりはすっかり真っ暗。
夜空にはあざ笑うかのように三日月が浮かぶ。
星は瞬き、きっと明日も晴れる。
そんな予感がするような夜だった。