図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
蓮が時間を確認するためにベッドの中から携帯に手を伸ばした。
けれど、それは美優の手に阻まれる。
蓮は不思議そうに腕の中にいる美優を見た。
「帰りたくない」
蓮は一瞬、その台詞に耳を疑った。
「美優?」
美優はゆっくりを視線を蓮に向けた。
「困るよね、こんなこと言われても」
儚げに笑う美優。
-帰したくない-
言うのは簡単だけど、現実にするには蓮はまだ子供で・・・・・・。
蓮はベッドの中で美優を強く抱きしめた。
「送るよ」
美優は腕の中で小さく頷いた。