図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
狂った歯車は回る
今日からまた、学校に通う毎日。
朝、手をつなぎ一緒に登校する。
お昼は美優は図書室で本を読み、蓮はそれを見ながら昼寝する。
けれど、放課後は図書室で過ごさなくなった。
待ち合わせをして、向かうのは蓮の部屋。
二人で過ごす貴重な時間。
帰る時間になると美優が決まって「帰りたくない」と、蓮を困らせる。
蓮は「明日も学校だから」と言い聞かせると、美優はいつも小さく頷く。
蓮はこれを甘えているのだと思っていた。
美優はそれを『あたしがここにいては困るのだ』と思い込んでいた。
狂った歯車は廻り続ける。
壊れるまでは・・・・。