図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
あと、少しの高校生活。
やっぱり、一緒に過ごしたい。
他の誰かがいても、あの場所ではあたしだけを見てくれる。
美優はドアの前で立ち止まった。
手のひらを心臓にあて、息を整える。
ゆっくりとドアを開けて、いつもの席に向かう。
静寂が支配する中、ひそひそと可愛らしい声が聞こえてきた。
「早く卒業してくれないかなぁ、そしたらあたしが彼女になれるのに」
美優の足は止まってしまった。
目に映るのは、蓮とその隣に座る
今朝の女の子。