図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
昼休憩終了のチャイムが鳴り響く。
「来なかったですね。彼女」
あみの声に蓮は顔を上げ彼女を睨むが、あみはにっこり笑ってさらに口を開く。
「放課後もセンパイ来ます?」
蓮は彼女を完全に無視して、席を立ち上がった。
「待ってますね?」
背中に投げられるあみの声は完全に無視して図書室を後にした。
蓮は携帯を取り出し、耳に当てる。
けれど、聞こえてきたのは無機質なアナウンス。
それを畳み、ポケットにねじ込むと蓮は3年生の教室に足を向けた。