図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
美優の上にもチャイムが鳴り響く。
「どうする?」
荒木の声に美優は顔を上げた。
「教室には…もどれないよね?」
その顔に滲むものを見つけて美優ははっとした。
「荒木くん、血がっ」
荒木は美優の視線の先にある額の横を指で触り、痛みに顔をしかめた。
その血に滲む指を見て荒木は苦笑じみた笑みを浮かべる。
「さっき、ぶつけちゃって、大丈夫。こんなん舐めときゃ治るよ」
そう言って、手の甲で額横の血を拭いとる。
「だ、ダメだよ、ちゃんと消毒しないと」
美優は涙を拭った。
「保健室、いこ?」
荒木は少し照れたように笑って言った。
「実は、さっき階段も踏み外しちゃって、足が…ね?」
美優は今頃になって荒木が少し足を引きずっていることに気が付いた。
「どうする?」
荒木の声に美優は顔を上げた。
「教室には…もどれないよね?」
その顔に滲むものを見つけて美優ははっとした。
「荒木くん、血がっ」
荒木は美優の視線の先にある額の横を指で触り、痛みに顔をしかめた。
その血に滲む指を見て荒木は苦笑じみた笑みを浮かべる。
「さっき、ぶつけちゃって、大丈夫。こんなん舐めときゃ治るよ」
そう言って、手の甲で額横の血を拭いとる。
「だ、ダメだよ、ちゃんと消毒しないと」
美優は涙を拭った。
「保健室、いこ?」
荒木は少し照れたように笑って言った。
「実は、さっき階段も踏み外しちゃって、足が…ね?」
美優は今頃になって荒木が少し足を引きずっていることに気が付いた。