図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】

笑顔で見送る美優。


「なに?知り合いなの?」


その隣に座る菅原みことが聞いてきた。


「ん?昨日、ナンパされてたとこ、助けてくれたの」


美優が振り向き左手で髪を撫で、耳に掛ける。


「あの子たちがナンパしてきたわけじゃなくて?」


みことは不思議そうな顔でさらに聞くから美優は意味が分からず首を傾げる。


「知らないの?特に、最後に来た、篠宮蓮」


みことは美優に顔を近づけた。


「要注意よ!あんたみたいにとろい子なんてあっという間にやられて( -.-)ノ⌒-~ポイよ!」


投げる仕草までしてみことは伝えたのに、美優は理解できず、今度は逆側に首を傾げた。


「だーかーらー、ヤリ逃げされるっていってんの!」



数秒後、美優は「あぁ」と、意味が分かり、両手を叩いた。


「でも・・・」


昨日を思い出す。


「そんな風には見えなかったけど・・・・」


美優はもう見えない彼らの姿を廊下の先に探した。


「あんた、トロイからね」


みことは呆れるようにため息を付いた。

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