図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


「階段で転けるなんで、案外ドジね」


保健医の三村先生が荒木に消毒しながらそう言った。


「って!もっと、やさしくって!」

「ほれ、足も!」


荒木は素直に靴を脱ぎ足を見せた。


「はぁ、これは明日、さらに腫れるぞ?」


その足は赤く少し腫れているように見える。


「大丈夫?」


後ろから見守る美優に、


「ヘーキ!」


荒木は振り返ってピースした。


「で、彼女は?」


三村の声に荒木は少し考えて、三村に向き直った。
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