図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
『信じて?』
蓮の言葉が耳に残る。
「美優ちゃん?」
滲む視界に、新と祐介の心配そうな顔が見えた。
「…じゃあ、なん、で?」
「なに?」
震える声に新が聞き直す。
「電話も、メールも…つなが、らない、の」
途切れるの声に新はため息を付いた。
「携帯、センセーに没収されたから」
その答えに美優は呆然としてしまった。
「蓮くん、今、どこ?」
美優に対する答えは誰も持っていなかった。