図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
町中に着いたときは日は落ち、すっかり夜になっていた。
「よう、蓮。最近よく来るな?」
店の前の男に声を掛けられ、蓮は苦笑した。
「ヒマだからね」
そう言うと、蓮は階段を下りていった。
BGMが鳴り響き、部屋の隅にはダーツ、更にしたの地下2階ではビリヤード台が設置されていた。
「蓮!」
アゲハ系の女が近寄ってくるから蓮はにっこり笑い、その女の腰に手をまわした。
「どうしたの?こんな早くに」
時間はまだ6時を回ったところだった。
「腹へっちゃて。なんか奢って?」
蓮のうっとりするような笑顔に女は顔を赤くする。
「とりあえず、このジーマ貰っていい?」
そう言うと、女が手に持っていた瓶を取り上げ一気に飲み干した。
そして、また微笑む。
「あ、あと、なにが欲しい?」
女は上目遣いに蓮を見つめる。
「あんたのキス」
そう言って、蓮はキスをした。