図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


町中に着いたときは日は落ち、すっかり夜になっていた。


「よう、蓮。最近よく来るな?」


店の前の男に声を掛けられ、蓮は苦笑した。



「ヒマだからね」

そう言うと、蓮は階段を下りていった。

BGMが鳴り響き、部屋の隅にはダーツ、更にしたの地下2階ではビリヤード台が設置されていた。


「蓮!」


アゲハ系の女が近寄ってくるから蓮はにっこり笑い、その女の腰に手をまわした。


「どうしたの?こんな早くに」


時間はまだ6時を回ったところだった。


「腹へっちゃて。なんか奢って?」


蓮のうっとりするような笑顔に女は顔を赤くする。


「とりあえず、このジーマ貰っていい?」


そう言うと、女が手に持っていた瓶を取り上げ一気に飲み干した。

そして、また微笑む。


「あ、あと、なにが欲しい?」


女は上目遣いに蓮を見つめる。


「あんたのキス」


そう言って、蓮はキスをした。


< 175 / 205 >

この作品をシェア

pagetop