図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「シゲさーん」
新が手を振りながら店の前にやってきた。
シゲと呼ばれた男は見える姿に目をそばめて告げる。
「さすがに制服じゃあ入れてやれねーぞ?」
その台詞に新はあははっと笑って返した。
「今日は聞きたいことがあって」
隣の祐介が口を開いた。
「蓮、来てる?」
「ん?あぁ、もうお持ち帰りしていねーけど?」
シゲのニヤニヤして返す言葉に、
「は?」
新はあんぐりと口を開けたまま静止した。
「あははっ!あいつ最近、毎日のように来ては女変えて出て行くんだぜ?」
「いや、ってか、まだ7時だし」
祐介のつっこみにシゲはがははと笑うだけだった。
「どうする?」
新の声に祐介ははぁとため息を付いた。
「携帯ないし、家に帰ってる形跡もなかったし、どうしようもないでしょ」
その意見に新は肩を落とした。
「なにやってんだよ、あいつ」