図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
特別ということ
部屋の中は暖房が効いて暖かい。
ベッドの中なら尚更。
部屋は暗く、カーテンの隙間から少しだけ明かりが漏れる。
相手の顔は見えない。
髪が長いのは分かるけれど、その色までは分からない。
髪をすく。
指に絡まる度に蓮は舌打ちをする。
「…蓮・・・っ!」
すぐさま、蓮は女の口を右手で封じた。
「しゃべるなっていったじゃん」
その声がかんに障るから。
手で口を封じたまま、女の胸に顔を埋めた。
声も出せず、のけぞる体。
同じなのは肌の暖かさ、それだけ。
これでいい
そう思った。
2月も半ばに差し掛かったそんな夜。