図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


その言葉に

蓮は何も言えなかった。



「あと、これが本命」


ヒロキは殴った手をぶらぶらさせながら告げた。



「図書室で待ってるとさ」



それだけ言うと、ヒロキは踵を返し出口に向かって歩いていった。


「手間かけさせやがって」


そう言いながらタバコを探る。


「馬鹿弟が」


ジッポに火がゆらゆらと灯った。


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