図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
昼からの授業は2時限だけ。

そんなのは、昼寝をしていたらあっという間に終わる。


「蓮、今日どっか行く?」


声かけてくるのは、悪友の向井新(ムカイアラタ)

髪は短いが赤く染め、耳にはピアスが蓮より多く付けられる。


「いいけど?どこ?」


眠そうな目を擦り、机から体を起こす。


「大通りにナンパとか?」


蓮は両手を上げ大きく伸びをした。


「それ、昨日もやった」

「そうそう、お前だけお持ち帰りな?ってか、どうだった?昨日の女。」


新が興味津々に顔を近づけるが「あー?普通」と、蓮は素っ気なく返しわずらわしげに前髪をかき上げた。


「ってか、持ち帰えられたのは俺」


蓮がそんな台詞を簡単に吐くと周りは呆れるように溜息をつく。


「ちょっとは俺にも分けてくれよ~」

「あっ、俺も!」


< 3 / 205 >

この作品をシェア

pagetop