図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
三人が見つめる先には美優。
そして、彼女が見つめる先には・・・如何にも遊んでそうな茶髪の男が一人。
「冬月くん・・・」
美優がその男の名前を呼んだ。
蓮の本能が告げる。
-コイツハテキダ-
「こないだは悪かったな」
そう言った彼の顔は全然悪びれていなかった。
美優はただ立ちつくし下を向き、その表情は分からない。
「もっかい、やりなおさね?」
ヘラヘラ笑いながらやつが言った台詞に、美優の体がビクッと反応する。
蓮は走って、美優の前に立ちはだかった。
そして、睨む。
「んだよ、テメェ」
冬月と呼ばれた男がにらみ返すが連は怯まない。
「美優を・・・・美優を泣かせるような男がどの面下げて、こいつの前に立ってんだよ?」
「蓮くん・・・」
後ろから、か細い美優の声が聞こえた。
「そうそう、もう、美優ちゃん、お前には興味ないってさ」
新が蓮のとなりに立っていた。
「ごめんねぇ?消えてくれる?」
その反対側には祐介がにっこり笑って立つ。
まるで美優を守るように。
「はぁ?純情そうな顔して、これかよ?実はヤリ・・・」
バキッ
鈍い音が響いた。