図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「あんなに無防備だと、絶対俺なら声かけるね」
振り向いて新が言う。
「いやいや、その前に薄汚れたおっさんの餌食になること間違いなしだね」
にっこり笑いながら祐介がさらりと言ってのける。
そして二人がニヤニヤしながら蓮を見る。
「・・・んだよ?」
少し顔を上げて、二人を睨む。
「べっつにぃ?」
意味ありげに新が振り返り見え隠れする美優を見る。
「行かないなら、俺が行こうかな?」
祐介が改札口に向かう階段に脚をかける。
「――――だぁー、もう!」
蓮が祐介を押しのけ階段を駆け上がる・・・で、振り返る。
「ついてくんなよ?」
しっかり、釘をさして、また走る。
「がんばれよ~」
新と祐介がひらひらを手を振った。