図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】




「あんなに無防備だと、絶対俺なら声かけるね」


振り向いて新が言う。


「いやいや、その前に薄汚れたおっさんの餌食になること間違いなしだね」


にっこり笑いながら祐介がさらりと言ってのける。

そして二人がニヤニヤしながら蓮を見る。



「・・・んだよ?」


少し顔を上げて、二人を睨む。


「べっつにぃ?」


意味ありげに新が振り返り見え隠れする美優を見る。


「行かないなら、俺が行こうかな?」


祐介が改札口に向かう階段に脚をかける。



「――――だぁー、もう!」


蓮が祐介を押しのけ階段を駆け上がる・・・で、振り返る。


「ついてくんなよ?」


しっかり、釘をさして、また走る。


「がんばれよ~」


新と祐介がひらひらを手を振った。


< 36 / 205 >

この作品をシェア

pagetop