図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
見る見る間に美優の白い顔が赤く染まっていく。
蓮は掴んだ美優の手が熱くなっていくのを肌で感じた。
「だ、だって、あたし年上だしっ」
そんな第一声に蓮は呆気にとられた。
1つくらいなんてことない。
というか、その反応に心が躍る。
「そんなの気にしない」
そう口にすれば蓮は徐々にいつもの自分を取り戻す。
「うっ・・・スタイル良くないし・・・」
「俺は好み」
蓮は人懐っこい顔でにっこり笑う。
「・・・・か、可愛く無いし」
「は?すっごい可愛いって!」
その台詞でさらに顔を赤く染める美優が可愛くて仕方ない。
「メイクとかうまくできないし・・・」
「そのままで十分」
むしろ、しないで欲しいくらい。
「髪も黒いまんまだし・・・」
「それがいいの!」
その黒髪に惹かれたのだから。
美優は赤い顔を隠すように俯いてしまった。
「・・・あたし、トロイし・・・」
蓮は屈んで美優の顔をのぞき込む。
「そこも好き」
そして、極上の笑顔を見せた。
耳まですっかり赤くなった美優。
「他には?」
蓮の言葉に美優が少し顔を上げて、首を傾けた。
「・・・蓮くん、彼女いるんでしょ?」