図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
その台詞に蓮の心臓は止まりそうになる。
いると言えばいるけど・・・。
「いない!今はいない!」
蓮は激しく頭を振った。
その顔にすでに余裕の笑顔は無くなった。
勿論、『特定な彼女』がいないだけなのだけど・・・。
今日、今から一人に決定。
美優が彼女になってくれるなら・・・。
「ほんと?」
美優の確かめるような声に、
「いないって!ホンット!」
と、蓮は力づよく言った。
「だから、俺の彼女になって?」
美優の目をまっすぐ見てもう一度申し込む。
美優が赤い顔を隠すように、俯いて・・・
小さくコクンと頷いた。