図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】

その台詞に蓮の心臓は止まりそうになる。

いると言えばいるけど・・・。



「いない!今はいない!」


蓮は激しく頭を振った。

その顔にすでに余裕の笑顔は無くなった。

勿論、『特定な彼女』がいないだけなのだけど・・・。

今日、今から一人に決定。


美優が彼女になってくれるなら・・・。


「ほんと?」


美優の確かめるような声に、


「いないって!ホンット!」


と、蓮は力づよく言った。




「だから、俺の彼女になって?」




美優の目をまっすぐ見てもう一度申し込む。



美優が赤い顔を隠すように、俯いて・・・






小さくコクンと頷いた。



< 44 / 205 >

この作品をシェア

pagetop