図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「・・・・身に覚えは?」
新の声に蓮は首を傾げる。
「覚えがあってもなくても、あの顔だともうやった後って感じかな?」
可愛い顔をして、祐介はサラリと言ってのける。
女は髪を綺麗に巻き、メイクは崩れたところなど全くなく、頬を赤らめ少し上目遣いに蓮を見ていた。
「どーすんの?」
ニヤニヤしながら新が蓮の顔を覗き込む。
「まっ自業自得ってことだね?」
祐介は相も変わらず可愛い笑顔をたたえている。
「どっちかいらね?あれ」
連はため息混じりに台詞を吐く。
「美優ちゃんならもらうけど?」
新が舌を出す。
「俺も。美優ちゃんのほうがいい」
祐介もそれに同調する。
蓮は二人を睨み、深くため息をついた。
「・・・行ってきます」
その後姿はまるで自首する犯罪者のようで二人は楽しげに蓮の背中を見送った。