図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
蓮の口の端が上がる。
2秒ほど遅れて、美優の黒目がちな瞳が大きく開かれた。
「えっ、な、なにっ?れ、蓮・・・っ」
美優は自分の声が大きいことに気付いて両手で自分の口を押さえるから、蓮は口の端を上げたまま人差し指を唇にあてる。
「図書室、でしょ?」
以前の美優の台詞そのままを舌に乗せ、ゆっくりと美優の両手を掴んで棚に押しつけた。
美優の顔はすでに赤く色づいていた。
「嫌なら、大声出してもいいよ」
蓮は耳元で囁いてゆっくり近づく。
「・・・・っ・・・・」
ぎゅっと目を瞑る美優。
けれど蓮は構わず、唇を重ねた。