図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
いきなり離れる唇に蓮は一瞬で我に返った。
離れたのは美優が膝から崩れたから。
だから蓮は手を美優の腰にやりグッと引き寄せ支えた。
「美優!?」
蓮は驚いて美優を見下ろす。
美優の顔は赤く火照って、その目はうつろで・・・。
「・・・はぁ、息が・・・」
美優はそのまま蓮の胸に倒れ込んだ。
美優の耳に響くのは早鐘を打つ心臓の音。
「れ、んくん・・・、心臓が・・・」
蓮はそのままきつく抱きしめた。
「――うっさい」
ただ顔を見られたくなくて。