図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】


「ごめん」


蓮の口からこぼれる言葉。


「・・・・どうして?」


美優が不思議そうに見上げた。

その頬はまだ赤くて、唇は艶めかしく艶めく。


「・・・・っんな顔でみんなよ」


蓮は美優の顔を胸に押しつけるように後頭部を押さえた。

簡単に理性を手放しそうになる。

そんなギリギリのところで踏みとどまる。



-ガタン-



近くで本の倒れる音に美優も蓮も弾けるように離れた。

けれど、あたりに人の気配はなく、蓮は棚にすがるように座り込んだ。


自分の心音が嫌に耳につく。


蓮は片膝を立て、その上に肘を乗せ前髪をかき上げ、そのまま頭を抱えた。


ヤバイ

絶対ヤバイ

次は絶対止まれない

なんだよ?これ!?

キスもセックスもやりすぎってくらいやってんのに。

思春期の中坊かよ?



「蓮くん?」


その声に蓮の心臓は反応する。

見上げるまでもなく、美優は蓮の目の前に座り込んでいた。


同じ目線で。

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