図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「じゃあね」
美優がいつもの笑顔で笑う。
「また明日な?」
蓮もつられて笑顔になる。
「家まで送るよ」と言った蓮に美優は「今日は大丈夫」と笑顔で答えたから、今日はここまで。
蓮は改札口を抜け見えなくなるまで美優の後ろ姿を見ていた。
その揺れる黒髪を。
完全に見えなくなって、蓮は袖をまくった。
そこにあるのは、赤い印。
蓮はそれを舌で舐めた。
その味は鉄の味。
思わずにやけてしまう。
今までやったこと無いけど、キスマークを付ける男の気持ちが分かった気がして・・・・・。
俺も付けたい。
あの白い肌に。
赤く深い跡を…。