図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】

プライドをくすぐるもの


来るもの拒まず去るもの追わず。

それが蓮の恋愛スタイル。

けれどこの2日間、それをすべて破っている。


蓮はそのまま家に帰り、ベッドに倒れ込んだ。

そして、また袖をまくる。


思い出すのはあの唇。


「あれは反則っしょ?」


一人つぶやいてはにやける自分が馬鹿馬鹿しくて堪らないのに止められない。




ブーブーブー…‥・・・

マナーモードの携帯がポケットの中で振動した。

取り出して、相手を確かめる。

蓮は顔をしかめて着信ボタンを押した。


「おっ、やっと出た」


相手は新だった。


「なに?」


蓮は素っ気なく返す。


「つめてーなぁ。今から出てこねぇ?相手3人だから足んねーんだよ」


いつもなら二つ返事を返すところ。


「行かねぇ」


即答。


「はぁ?マジで?」


電話の向こう側で驚きの声を上げる新。


「そんだけ?じゃね」


蓮は通話を切り、携帯を眺めた。

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