図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「やめとけって」
トモが口を挟む。
「どうせ、ムリだから」
その台詞にカチンとくる蓮。
「って、言われたらやる気になるタイプだよな?」
トモがクスクス笑う。
「似てるのね?」
トモのとなりにいる美人がそれにのっかる。
「似てない!」
「似てねーよ!」
ハモる二人の声にトモと美人が声を上げて笑った。
ヒロキの横にいる彼女はどうしていいかオロオロして、ヒロキの顔を見上げる。
ヒロキはひなを見て、やさしく微笑む。
ひなも安心したように笑う。
こいつは手に入れたんだ。
蓮はまた、この男に劣等感を植え付けられる。