図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】

ナンパしたいのは誰?

放課後になり、悪友達と町中に繰り出す。

制服のまま。

そこそこ進学校で有名なその制服は他校からの憧れの的。

その人気も手助けして、ナンパはしやすい。

3人で、マックに入り品定めをする。


「どれにする?」


新がコーラ片手に辺りを見回す。


「あそこは?」


祐介が目配せする先には私立女子校の女達。

テーブルには鏡と化粧道具を並べて、くっちゃべる。

髪はふんわりカールされ、化粧もばっちり。

こんな女達は簡単にナンパ出来てしまう。


「俺、パス」


蓮がうんざりするように口にする。


「じゃ、あれは?」


今度は新が目で合図する。

そちらも似たり寄ったりな女達。


「はぁ」


蓮はため息を付いた。


「じゃ、どんなんがいいんだよ!」


新が蓮に詰め寄る。

蓮は頬杖を着いて考える。


「そーだなぁ・・・。色は白くて、髪はストレートで長くて、そんで・・・」


蓮は口にするのをやめた。

それって・・・。


「えらい、具体的だな?」


新がニヤニヤしながら聞いてきた。


「ほんと、誰だよ?それ?」


祐介も同じ顔で蓮に詰め寄る。


「お前ら、うざい!」


蓮はそう言うと、顔を窓の外に向けた。

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