図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
美優が駆け寄ってくる。
「どうしたの?」
蓮は何も言わず笑っていた。
美優が心配そうに顔を覗き込む。
あの男に触発されて・・・・。
なんて言えずに蓮はただ苦笑いを浮かべた。
「勉強中だった・・・よな?ごめん」
蓮の台詞に美優が笑う。
「蓮くん、謝ってばかりだね」
蓮は考えて・・・その通りだなと、また苦笑した。
「コンビニ、行く?」
差し出した蓮の手を美優はいつもの笑顔を浮べて重ねた。
右手には美優。
左手には・・・・携帯。
蓮は口を開く。
「美優、携帯持ってねーの?」