図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
コンビニに入り、美優はホットココアを手に取った。
蓮は特に買うものもなく、ミント味のタブレットをレジに持っていった。
「俺のおごり」
携帯をかざし支払う。
「ありがと」
美優の声が蓮の耳をくすぐる。
二人は来た道をそのまま戻っていく。
蓮は途中あった公園に目をやり美優の手を引いた。
「ちょっとだけ、いい?」
その声に美優は小さくいた。
座ったベンチは冷たくて、秋が来ていることを肌で知る。
「蓮くん、タバコ吸うんだ」
美優の台詞に蓮は口を押さえた。
そして、急いでさっき買ったタブレットを2,3粒口に放り込む。
「いや、これはたまたまってか、その場の雰囲気でというか…」
美優がクスクス笑いながら、缶を開けた。
「別に怒ってないよ。先生じゃないし。」
美優の髪が月の光を浴びて艶めく。
白い肌が揺れる髪の間から見え隠れする。
ホットココアを飲む唇が妙に赤くて生々しい。