図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
「てっめぇ、蓮!」
後ろから頭を小突いてきたのは新。
「ってぇ、なんだよ」
頭をさすりながら蓮は振り向いた。
「なんで、途中で帰んだよ!」
蓮はしばらく考えて「あぁ」と思い出したように口にした。
「悪ぃ、あの後どうだった?」
「どうもこうも・・・・・・」
新が苦々しい顔を浮かべる。
「あいつにメロメロで話になりませーん」
祐介が呆れたように両手の手の平を上に向けた。
「なるほど」
蓮は一人納得した。
「ってか、あいつと何話してたの?」
祐介が切り返す。
「ん?別に。挨拶くらい」
『見てみたいな』
あいつの台詞を思い出して蓮は頭を振った。
絶対、会わせねー!
蓮はそれだけは固く決意した。