図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
昼休憩のチャイムが鳴る。
朝も食べていない蓮は、悪友達と学食に向かった。
そんな自分の行動に、蓮は昨日より余裕のある自分に気付く。
「蓮がここにいるのって珍しいな」
蓮は何も言わず定食を口にする。
「他を相手にしなくなったから時間があるんじゃない?」
代わりに口を開いた祐介を蓮は睨むが、祐介はそんなことお構いなしにご飯を口に運ぶ。
「なるほど」
新は激しく納得して唐揚げを口に頬張った。
蓮は早々と食べ終わり、席を立つ。
「早っ!」
新が蓮を見上げ、ニヤリと笑う。
「美優ちゃんとこ?」
「そ・ゆーこと。ついてくんなよ?」
蓮の台詞に新が呆れたように肩をすくめた。
「行くわけ無いでしょ?」
祐介がそれに続く。
「そんなに暇じゃないよ」
その台詞を聞いて蓮は笑顔でその場を後にした。