図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】

4人がくぐったのはすぐそばにあった喫茶店。

日本人形を先頭にモデルばりの顔と身長を持つ男が3人が入れば――。


「い、いらっしゃいま、せ」


女性店員が舌を噛むのもムリはない。

店内の視線を総なめにする。


「あ、あの、御注文は!」


店員の声が上擦る。


「ヒロキもブラックだよ?美優ちゃんは?」

「紅茶で」


トモの声に美優はにっこり笑う。


「俺、アメリカン」


蓮がブスッとした表情で言う。


「か、かしこまりましたぁ」


転けそうになりながら、その店員は下がっていった。
< 96 / 205 >

この作品をシェア

pagetop