そらのきおく sky memory
第一章 海

奏Side 出会い

日課。
毎日決まってすること。
私は日課として、庭に出ている。

「ふぅ…」

心地よい春の風が頬をなでる。
そこで私は足を止める。
―いや。
正しくは、手を止める。
だって、私は車イスだから。

生まれつき動かない足。

でも―…
私には歩いた記憶がある。
自然の中を駆け回っている。

ありえないのに。立つ事すら出来ないのに。

「どうしてだろう…」

呟いても、答えは返ってこない。

空を見上げる。
雲ひとつない快晴が、どこまでも、どこまでも続いていた。
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