恋がしたくて…
水曜日
明け方。
寒気で目覚める。

気付けば 携帯を 握りしめたまま、リビングで寝ていた。

昨日は ぼんやりと一日中 過ごした。

ただ 携帯だけは、まめにチェックしたけど…。


嫌な一日だった。と、ぼんやりと考えながら、
顔を洗い、歯を磨き、布団へ入った。


明け方の4時23分だ。

昨夜は いったい 何時に 寝てしまったのだろう？


寒い…。
うたた寝なんか、するんじゃなかった。
ブルブルッ。
布団の中で 身震いする私。


身体が冷えきってしまったせいか、
顔を洗ってしまったせいか、
すっかり、目が覚めてしまったようだ。

ちっとも眠れない。

メールの着信を もう一度、確認する。
やはり来てない。

また、佐々木さんとのキスが蘇る。

子宮の辺りがキュッとなり、布団の中で、佐々木さんを思う。


佐々木さんの 肉厚な手。

スーツの広い背中。

ワイシャツになった時にわかる、胸板の厚み。

そして、
舌から伝わってきた 熱い体温。
< 105 / 150 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop