恋がしたくて…
佐々木さんに恋をしてから、通勤電車の窓から景色を見るのが すっかり 習慣になった。

ブルーな 今日も、下を向く気はせず、流れる景色を見ながら、ぼーっとしていた。


毎日 通る 同じ線路。

見ている景色は 同じはずなのに。

私の気分は、佐々木さん次第で コロコロ変わる。


佐々木さんとのキス以来、最悪だ。


綺麗になったはずの あたしは、あっという間にブスになり、二日もズル休みをしてしまった。
家にいたって、内心は、子供に 苛ついてばかりだし、この二日間、何もせずに、ゴロゴロと過ごしていただけだ。

全てに 対して なげやりになっている。

希望に満ちて、良い方へ 良い方へと 転がりはじめていた私の毎日は、
いっきに、反対方向へと 転がりはじめた。


もう 嫌だっ。


恋なんかに 振り回されるものかっ!!

だが、私のそんな気持ちとは うらはらに、会社の手前に来た時は、私の心臓は バクバクいっていた。
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