恋がしたくて…
世界の色
翌朝、パパが出ていき、子供が出ていく。

いつもと変わらぬ 慌ただしさの中、満員電車に 飛び乗る。

いつもは うっとおしいだけの 人混み。

皆、何を考えて乗っているのだろう…。
その一人 一人の顔を 見てみる。

さえない 中年男。

きどったOL。

この中の 何人が 恋をしてるのだろう…?

あの キレイなOLさんは 彼氏 居るだろうなぁ…。

でも あたしも 負けてない。
昨日からの あたしは 負けないぐらい幸せだよ。

いつもは 目をつぶり、下を向きながら ただたえていただけの 満員電車の中で。

窓の外の景色を みた。

広い川。

光る水。

その完璧な光景から目が はなせなくなった。

やがて 川は 見えなくなり、また続く 民家 民家。


朝の川って、
あんなに キレイだったんだ。

いつも通っているのに、
全く気付かなかったなんて…。


話したい人がいる。
会いたい人がいる。

世界の 色は、 これだけの事で 変わるんだ。

今、全ての 感覚が 目覚めた。

風も 音も 。

今ならリアルに 感じる。

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